8月25日に開催された第39回静岡マスターズ陸上競技大会に、トレーナー帯同をしてきました。
今まで幅広く陸上競技に携わってきましたが、今回初めて、マスターズ競技のサポートに参戦です。
帯同のキッカケとなったのは、私が所属しているRunwayの選手との話です。
メンテナンスをしながらマスターズ陸上について話を聞き、私が知らない世界に興味を持ちました。
大会は日曜日、会場も近場であるため、
- マスターズ陸上の現場を知る
- チームの選手に大会サポートを経験してもらう
- 記録を出すためのサポートをする
これらの目的を持って、帯同を決めました。
今回の選手は3名、2種目or3種目を1日で走るため、朝のコンディショニングからレース間のリカバリーまで、サポートする事は盛りだくさんです。
それ以外にも、レース動画の撮影や雑務を含めると、1日動きっぱなしになる事も予想できました。
しかし私は、しっかりサポートできる自信がありました。
理由は最後にまとめたいと思います。
いつもと同じ様に事前準備をしていると、タイムスケジュールに特徴がありました。
通常の記録会には無い、「エントリー」の枠があります。
マスターズは参加する年齢層が広く、5歳ごとに部門のくくりがされています。
参加人数が少ない部門に関しては、複数の部門の選手が同じ組に入る事もあります。
率直な感想としては、陸上競技の年齢層は幅広く、それぞれが目的を持って取り組んでいると感じました。
当日の流れも、いつもの帯同とほとんど同じです。
最初にコンディションを確認してもらい、
事前情報と照らし合わせてコンディションを修正します。
いつもメンテナンスをしている選手達のため、コンディショニングもスムーズにできた感じがします。
朝のコンディショニングが終わってからは、選手のアップを観察します。
コンディションに合わせた動きを確認していました。
私以外にも、選手同士で動きを確認する場面も見られました。
1本目の100mは3人とも力を入れている種目であり、緊張感を持っての観戦となりました。
サポートした選手全員が部門で1位となり、幸先の良いスタートです。
1人が自身の大会記録を更新、1人が自身の大会記録タイ、1人が無風換算では自己ベスト更新レベルの走りでした。
レースが終わったらすぐにリカバリーを取ります。
補食のタイミングやリカバリーの順番を考えながら、全員が次のレースで走れるように調整をします。
リカバリー後にアップのサポートをして、再び動きを高めていきます。
その勢いで2種目目の60mへ出場です。
こちらも2名とも部門で1位を取る走りでした。
普段の種目では無い60m、100mとは違った面白さがありました。
ゴールしてから200mまで時間が無いため、ほぼリカバリーを取らずに選手を送り出します
暑さが厳しい14時、2or3種目で疲れがある中で、全員が部門で1位を取る事ができました。
1日の結果としては、全ての種目で1位を取る快挙を達成しました。
初めてのマスターズ帯同でしたが、いつもと変わりなく、1日役目を終えました。
サポートできる自信があった理由
ここで話を戻します。
今回の帯同でサポートできる自信があった理由について、簡単に触れていきます。
サポートした3人の選手は、私と同じくPEAK Support 川端コーチのレッスンを受けています。
つまり、日頃の練習の様子やコンディションについて、コーチからの連絡やSNSの投稿などを通じて把握ができます。
それだけで無く、アップや動きづくりの内容もある程度把握しているため、具体的な状態把握やアドバイスができます。
私自身も同じアップをしているので、この選手が動いていることもバッチリ分かります。
修正点があればすぐに気づくので、選手に確認、必要に応じて手を加えます。
そして、今回の帯同で非情に良かったのは、事前にアップ内容を提案していただいたことです。
今回、コンディションが合っていない選手がいました。
治療院での最終メンテナンスの際に、「この筋肉が動いていないから〇〇をするといいかも」と提案をいただきました。
実際にメンテナンスをすると、コーチと私の見解は一致しており、修正すると動きに変化が現れました。
当日もアドバイスを頭の片隅に入れてアップをサポートした結果、見事にコンディションを合わせることができました。
ここまで確実にコンディションアップができたのは、私一人の力ではありません。
選手・コーチの連携があったお陰で、私のコンディションアップがスムーズにできたと思います。
まさに「チーム」として当日まで取り組む事ができ、その結果が記録に表れたと実感しました。
私の意見としては、選手とコーチ、トレーナーが連携ができると、最高のパフォーマンスが発揮できると思っています。
トレーニング計画とケア計画、双方が連携できると、ケガ無く最適なトレーニングが継続可能です。
今回の3選手と川端コーチ、私の連携は始まったばかりですが、早くも実を結び始めた気がします。
スポーツパフォーマンスにおいて、これ以上に最高の連携があるでしょうか?
スポーツの現場を見ていると、トレーニングとケアが連携できているチームは少なく感じます。
実際のところ、私がサポートしている高校も、連携の点に関してはまだ不十分であると思っています。
様々な制限があり、双方が思った通りの連携ができていないのかもしれません。
指導者はトレーニングを組んで実践するところまで、トレーナーはその続きと言った形で、分業していることが問題です。
- 指導者がメンテナンスの知識を知っている
- トレーナーがトレーニングの事情を知っている
これが成り立つと、指導者からトレーナーへのバトンパスがスムーズになるため、同じ方向に向かって選手をサポートできると思います。
今回の静岡マスターズは、この第一歩としては十分すぎる結果だと実感しています。
3人の選手はここから、東日本、全日本と次への舞台へ準備を始めます。
今回の帯同を通じて、私自身、選手との距離が縮まり、今後のメンテナンスにも反映できることが増えました。
レース後には、川端コーチに1日の状況報告をしたので、トレーニングにも反映されると思います。
それぞれの選手が目標達成できるように、よりレベルの高いチームを目指して、最強の裏方としてサポートを頑張りたいと思います。