9月21日〜23日に開催された、第45回 全日本マスターズ陸上競技選手権へ、トレーナー帯同をしてきました。
先月に引き続きマスターズ陸上の舞台、そして段階を大きく飛ばして全国大会の舞台への参戦です。
今回も静岡マスターズと同じく、所属しているRunwayのメンバーから帯同の依頼を受けて、急遽京都までサポートへ向かうことを決めました。
私としては2回目の全国大会、そして今回は、日本一や日本記録が懸かった、今までの帯同とは少し意味合いが違うレースが揃っています。
静岡マスターズからこの3日間までほぼ1ヶ月、選手、そしてPEAK Support 川端公人コーチと、綿密に連携を取り合いながら準備をしてきました。
トレーニングの様子はどうだったのか?どのようなメンテナンスを行ったのか?少しでも記録を縮めるために連絡を取り合う日々が続きました。
身近な選手やコーチが、毎日、血の滲むような努力をしている事を私は知っています。
だからこそトレーナーも高みを目指して、選手以上の努力をするのは当たり前です。
今まで長いこと競技に携わっていますが、ここまで競技と向き合った1ヶ月は無いかもしれません。
朝起きてから夜寝るまで競技について考え、考えるのを止めると気持ちが落ち着かない事もありました。
その長い準備を終えて、いよいよ当日を迎えました。
いつも通りの大荷物を抱えて、始発で京都へ向かいます。
最近の帯同は移動が大変なことが多いため、折り畳みマットを持ち歩く事が増えました。
意外と使い勝手が良く、今後の活動でもメインウェポンとなりそうです。
全国大会特有の雰囲気はここにもあり、会場全体が緊張感に包まれていました。
それと同時に私にもスイッチが入り、勝負する気持ちが引き締められました。
今回のサポートもいつもと同じく、
①.選手のコンディショニング/リカバリー
②.ウォーミングアップの補助
③.レースの撮影などの雑務
サポート人数が少ない割には動くことが多く、3日間バタバタする事を覚悟して挑みました。
それに加えて心配していたのは、グラウンドコンディションです。
季節の変わり目、天候が不安定で読みにくいため、天気予報を見ながら様々な想定をしていました。
- 雨風による全体の記録変化
- 冷えや暑さによるコンディションの変化
- アップ会場やベンチの工夫方法
当日にならないと分からない事も多いため、到着後は隅々まで会場をチェックしました。
案の定、大雨によりアップ計画が変わる選手もおり、トレーナーの対応力も問われることがありました。
そこで注意したのは、効率良くパフォーマンスアップできるための工夫です。
コンディショニングの内容もアップ計画から逆算して行い、スムーズにウォーミングアップへ移行できるように注意しました。
気になるレースの結果ですが、チーム全体としては優勝や入賞者が多数出ました。
そして私がサポートした選手は・・・
- M65 100m 優勝(PB更新)
- M60 100m 5位(PB更新※追い風参考)
- M40 100m 3位(ケガ明けでの出場)
- M25 個人2種目2位 リレー2種目優勝
- M60 4×100mR 2位(1位と0.15秒差)
- W45 100m セカンドベスト更新(初出場)
100点満点とは言えませんが、目標達成をした選手が多くいたようで、サポートとしては達成したと思います。
急遽コンディショニングを依頼された選手もいましたが、無事に3日間を終えることができました。
レースまでの経過を辿って分かったこと
今回の帯同まで、長い選手で3ヶ月間に渡ってサポートを組んできました。
先月の静岡マスターズでも同じ事を感じましたが、継続してサポートができる環境があること、これは勝負において、非常に大きな事です。
メンテナンスによる経過を追えることは勿論、それ以上に大きいのは、トレーニングの経過を追えることです。
あまり公にしていませんでしたが、時間がある時に、川端コーチのレッスン見学することがあります。
走り方を判断するには、言葉よりも目で確認することが確実です。
トレーニング、メンテナンス両方からの視点で結果を出すためには、このような取り組みも必要だと考えています。
サポートした一人の選手は、最終レッスンでケアやコンディショニングのポイントが浮き彫りになりました。
レッスン中や終わった後にケアの計画を確認して、残りの期間で100%に仕上げる。
これを実践した結果、短い期間で記録を伸ばすことに成功したと考えられます。
この取り組みを「チーム川端」として呼んでいますが、時間が経つにつれて、連携がスムーズになっている気がします。
それが証明できたのは、結果が出て選手やコーチが手応えを感じたからだと思います。
選手の状態やトレーニングを知れば知る程、トレーナーとしてできることが増えていきます。
今回のレースに3日間帯同して、新たな情報を知ることができました。
それは次のステップに進むために、コーチとトレーナーにとって必須の情報だと思います。
大きなレースも終わり、ここからは冬季練習へ移行していくと思います。
来年勝負するためには、この冬季練習が大きな意味を成します。
そのためにも、選手とコーチに近い立場で、チームとしてサポートをしたいと考えています。
選手とじっくり話をして
2日目の夜には反省会と最終日の決起会が行われました。
- 今日のレースはここが良かった/失敗した
- 明日のリレーはどのように勝負をするか
- コンディショニングのポイントはどこか
大会の現場ではじっくり話をする事ができないため、私にとってもありがたい機会でした。
選手によって考えていることは違います。
それを共有することでチームとしての方向性が決まり、より的確なサポートがしやすくなります。
チームとしてサポートをするには、選手をよく知ること、これが大事です。
私も積極的に練習などへ顔を出して、もっと近くで選手と関わりたいと思いました。
また、3日間を通してRunwayのメンバーとも多く話をしました。
所属して2ヶ月、メンバーと会う機会も少なかったため、実質初めて合う方が多くいました。
競技に向き合う姿勢はそれぞれ違います。
特に社会人ともなると、仕事の合間を縫ってトレーニングをするため、トレーニングの内容に個性が現れます。
新たな視点を知る機会にもなり、今後の活動やトレーニングにも大きく変化が持たせられるかもしれません。
この夏は陸上競技に関わる事が多く、私としては忙しいながらも充実した夏でした。
もうじき今シーズンも終わりを迎え、来シーズンへの準備が始まります。
つまり、来年の全日本マスターズへのカウントダウンは始まっています。
サポート選手と初めて迎える冬季練習、何が起こるのか分かりません。
0.01秒にこだわりながら、最大限のサポートができるように私も頑張らなければなりません。
私自身も競技復帰へ向けて動きつつ、一緒に結果を出せる形が理想的だと思います。
トレーナーは選手やコーチに活かされていると実感しながら、3日間を振り返りました。
マスターズ陸上での活動