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スポーツや交通事故によって大きな力が膝に加わり、膝関節の中にある半月板が傷ついた状態を指します。
大腿骨(太ももの骨)と脛骨(スネの骨)の間には、外側半月板(O字)と内側半月板(C字)があり、スムーズな膝の運動に関係しています。
そのため、半月板を損傷すると膝に大きな負担がかかり、スポーツや日常生活で様々な障害が起こるとされています。
半月板の役割は、
「骨にかかるダメージを吸収して膝の軟骨を保護する」
言い換えると、クッションの様な役割を果たしています。
★具体的な役割
①.関節にかかる衝撃を吸収・分散
②.膝の安定性を保つ
③.膝の可動域を正常に保つ
半月板損傷の原因で最も多いのは、スポーツによる損傷です。
★スポーツごとの捻り
◎バスケットボール・サッカーなど→急な切り返しやストップ動作による損傷
◎バレーボール・新体操など→踏み込み・着地時の衝撃による損傷
上記の場合、半月板に急激な力がかかった状態で捻りが加わるため、半月板が耐えられなくなって勢いよく損傷します。
◎陸上競技・水泳(平泳ぎ)→小さな衝撃の繰り返しによる損傷
バスケットボールのターンのように大きな捻りや衝撃ではありませんが、小さな捻りや衝撃による半月板の摩耗の繰り返しも、半月板損傷に繋がっていきます。
◎サッカー・ラグビー・アメリカンフットボール→接触による外傷
このケースでは、踏ん張った足に外力が加わることで捻りが発生します。
個人の問題だけで半月板損傷が起こる訳では無いため、プレー中に防ぎにくい接触型損傷に相当します。
※スポーツではありませんが、交通事故による外傷も該当します。
①はスポーツを軸に損傷原因を書いてみました。
大半の方が半月板損傷と聞くと、スポーツによるケガと思い浮かべると思います。
学生や20代での半月板損傷はスポーツがメインですが、40代以降の半月板損傷は、半月板が変性していくために損傷するとされています。
年齢を重ねると半月板のクッション機能が衰えてきます。
結果として、今までと同様の体重負荷や動きであっても半月板に傷がつきやすくなり、日常生活に支障が出てくることもあります。
原因①.股関節周辺の筋肉が張っている
股関節の柔軟性が失われることで、
膝が内側に入る(ニーイン)傾向があります。
股関節の中でも特に、膝の外旋筋の疲労によって引き起こされます。
原因②.膝周辺の筋力と運動量のバランスが悪い
この場合、足底部の外側に体重がかかりやすい傾向があります。
膝に関係する筋肉はとても多く、特に、足底筋や下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)の疲労によって引き起こされます。
半月板損傷の症状は、急性期と慢性期の症状に大きく分けられます。
急性期
一般に急性期症状は、受傷から3週間程度の間に起こる症状です。
①.疼痛
外側・内側どちらの半月板を損傷しても、膝の屈伸運動や荷重時に痛みがあります。
日常生活では、歩行時や階段昇降、イスからの立ち上がり動作などで支障が出ることが多いようです。
痛みは半月板の損傷部位に出現し、圧痛や運動痛がメインになりますが、程度によっては、安静状態で痛みが出ることも珍しくありません。
痛いと膝が気になりますが、必要以上に触るのは止めましょう。
★関節の運動制限
膝の痛みと同時期に、屈伸運動時に引っかかり感(キャッチング)が出現し、重症の場合では屈伸ができないロッキング現象が起こります。
また、屈伸時にクリック音という、パソコンのマウスをクリックしたような音が鳴ることもあります。
この状態では痛みが強く、歩行障害が発生します。
慢性期
急性を過ぎると、半月板損傷の痛みは(運動制限や痛み)落ち着きますが、関節炎症状がメインになります。
慢性化症状が出やすいケースとしては、初期に正しい治療を行わないことが挙げられます。
★関節炎症状
関節に炎症が起こることで、膝関節に水腫(水が溜まる)や血腫(血液が溜まる)が出現します。
膝に液体が溜まることで膝周辺が腫れて、痛みや運動制限にも繋がります。
症状を放置すると・・・
痛みは治まってきますが、半月板は損傷したままです。
そのため、靭帯や軟骨など、半月板以外の部分に障害を生じることがあります。
①.変形性膝関節症
損傷した半月板が大腿骨や脛骨を傷つけるため、骨を変形させる変形性膝関節症の原因となります。
特に影響を受けやすいのは、中高年(40代)以降です。
②.大腿四頭筋の萎縮
患側を無識にかばうようになるため、大腿四頭筋の萎縮が起こります。
その影響により、他の筋肉にも影響が出ることが考えられます。
膝の靱帯損傷・半月板損傷で多いとされているのが、
①.前十字靭帯損傷
②.内側側副靱帯損傷
③.内側半月板損傷
の損傷です。
これらは単独で損傷することもありますが、膝の構造上、複数箇所同時に損傷するケースも見られます。
これを不幸の三徴候(アンハッピー・トライアド)と言い、通常の復帰より時間を要します。
①.徒手検査
膝関節にストレスを加えて、緩みの程度を健側と比較します。
・マックマレーテスト
・圧迫アプレーテスト
これらの徒手検査で異常を見つけることが可能ですが、受傷直後は痛みが強いことがほとんどです。
そのため、むやみに動かさずに専門家による検査を受けるようにしましょう。
②.MRI
半月板はレントゲンに写らないため、診断はMRI検査で行います。
しかし、半月板は内部に存在するため、MRI検査だけではハッキリしない場合もあります。
その場合、関節鏡検査で細かく半月板や軟骨などの状態を判断し、診断を確定します。
※半月板損傷の形
剥離損傷 | 半月板の付着部から剥がれるように損傷する |
縦断裂 | 縦方向に断裂・重症ではバケツ柄状に離解する |
横断裂 | 横方向に断裂 |
水平断裂 | 水平方向に断裂 |
parrot Beak断裂 | 横断裂+縦断裂・くちばし状に断裂 |
精密検査によって損傷の状態が分かったら、治療計画を立てます。
靱帯損傷の治療は大きく2種類に分類できます。
①.保存療法
靱帯の損傷が軽度であれば、ギプスやサポーターで膝を支え、安静を保ちます。
装具を着用して、早期から痛みのない範囲で可動域訓練を行い、筋力低下を最小限に抑えます。
※場合によっては痛みの緩和と安静を目的に、ギプス固定を行うこともあります。
②.手術療法
損傷部位の幅が1センチ以上と大きい場合や自然治癒が期待できない場合は、関節鏡を使った鏡視下手術が検討されます。
切除術
損傷部分を切り取る方法で、血流がなく修復が難しい半月板中央2/3の損傷時に行われます。
断裂の形態が横断裂・水平断裂の場合に切除術が選択されます。
縫合術
損傷部分を縫い合わせる方法で、血流のある半月板の縁1/3の損傷時に行われます。
断裂の形態が縦断裂の場合に縫合術が選択されます。
①.松葉杖による歩行
まずは平面などの障害の少ない場所で、足に負担をかけないように歩行を開始します。
平面で安定して歩けるようになってきたら、屋外での歩行や階段昇降などの、日常生活動作に切り替えていきます。
患側に体重をかけると痛みが出たり、症状が悪化する可能性が高いため、床に軽く触れる程度に足を着けて歩きます。
場合によっては、装具と松葉杖を組み合わせて訓練することもあります。
②.可動域訓練
痛みがあるからといって関節を動かさないと、より動きが悪くなっていきます。
そのため、早い段階から少しずつ可動域訓練を開始していきます。
他動運動(他人に動かしてもらう)から始めて、自動運動(自分で動かす)、道具を使った軽い負荷訓練と、徐々に強度を上げていきます。
メインとなる筋肉は、大腿四頭筋です。
③.痛みの緩和
リハビリ後、体調によってはリハビリをしていなくても
痛みが出ることがあります。
そのため、アイシングによる痛みや腫れの緩和、
マッサージによる筋緊張の緩和を積極的に行っていきます。
目的:体重をかけたトレーニングの開始・不良動作の修正
この時期になると、ある程度安定して動けるようになり、痛みが落ち着いてくると思われます。
この状態になったら、少しずつ負荷の強度を上げながら自重トレーニングを開始していきます。
トレーニングは必ず「痛みがない状態」で行い、痛みが出たらすぐに中止して症状の悪化を防ぎます。
膝の向きを整える
重心を安定させる
目的:高負荷トレーニングを行う
自重トレーニングやコンディショニングで体が使えるようになってきたら、より強度を上げたリハビリを行います。
もちろん、この時期になっても、自重トレーニングやコンディショニングはベースとして取り入れ、より良い状態を維持していきます。
目的:競技復帰に向けたリハビリ
この段階まで回復してきたら、いよいよ競技復帰に向けたリハビリが始まります。
まずは軽いランニングから開始し、動きやコンディションを確認しながら、ジャンプ動作やダッシュなどを取り入れます。
強度は体の状態によって大きく変わるため、「痛みが出ないこと」を第一にリハビリの内容を決めていきます。
アライメントの異常と膝の靱帯損傷は密接に関係しています。
その理由は主に3つあり、これらは靱帯損傷を起こす要因であり、競技復帰のためには欠かせない要素でもあります。
★アライメントが整うことで起こる変化
①.足元が安定する
アライメントが整っていると、全身で体重をしっかり支えることができます。
言い換えると、アライメントの異常があることで、一部に負担がかかることが考えられます。
特に影響を受けるのが、膝や足首などの関節部とされています。
②.体の軸が安定する
①に関係していますが、足元が安定しないためバランスが取りにくくなります。
これはスポーツだけでなく、日常生活にも関係してきます。
一番身近なのが歩行の局面で、この場面でも必ず片足立ちの瞬間があります。
アライメント異常の度合いによっては、この場面でもバランスが取れなくなることが考えられます。
また、動きのレベルが上がるほどこの影響は大きくなります。
③.膝とつま先の向きが揃う
アライメントを整える点で重要なのは、「ニーイン・トゥーアウト」です。
膝が内側に入るニーイン×つま先が外を向くトゥーアウト
これは故障が多い選手の特徴で、修正が必要な動きの一つです。
間違った方向に体が動くことで、①②を引き起こすことに繋がり、結果として膝の負担を増やすことになります。
コンディショニングとは大きく分けて2つあります。
①.リセットコンディショニング
筋肉の調整=筋肉の弾力を取り戻す
②.アクティブコンディショニング
筋肉の再教育=筋肉が動くようにする
上記の2つに分けて行い、筋肉の調整と再教育で「Good Condition」を実現するメソッドです。
膝靱帯損傷の回復から競技パフォーマンスの向上まで、どの場面でも活用できるのがセルフコンディショニングです。
あまり知られていませんが、シューズが原因で半月板損傷を起こすケースがあります。
半月板損傷に繋がる要因
・正しい履き方を知らない
・サイズが大きいシューズを選んでいる
・裏がすり減っている
・足にシューズが合っていない
・目的に合っていない など・・・
原因は数多くありますが、シューズを調整することで半月板損傷は予防できると考えられます。
PLUSbody若葉治療院では、シューズを含めて身体と考えています。
ボディーメンテナンスとともに、シューズメンテナンスの大切さを広めていく活動をしています。
初回講習(10〜15分) | 施術料+1,000円(税込) |
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