3月31日(日) 小中学生の短距離選手を対象とした、「10分でできるセルフケア講座」を開催しました。
高校でのトレーナーで取り組みを始めたストレッチ講座も、いよいよ小学生まで広がりました。
とは言っても、4月からは中学の舞台で競技を続ける子が多いので、実質中学生向きの内容となります。
内容については、高校や中学での講座とほとんど変わりませんが、今回は表現をより簡単に書き換えました。
それ以外にも、話を飽きさせないようにワークシートを準備して、講座の内容をより簡単に覚えてもらうように工夫をしました。
当日の様子
まずはセルフケアの基礎知識を知ってもらい、なぜストレッチが必要なのか?今回の講座の目的は何か?などを説明しました。
ワークシートを活用しながら、セルフケアの目的や、やってはいけないセルフケアなどの説明を進めます。
セルフケアの基礎を作ってから、ストレッチについて深掘りをします。
ストレッチの効果やトレーニング理論などを話しましたが、今回のキーとしたのは「ストレッチの種類/違い」についてです。
具体的には、動的/アクティブと静的/スタティックの使い分けについてです。
これには理由があり、大半の小中学生がこの違いを理解しておらず、間違ったストレッチをしているのを見てきたからです。
特に多いのは、静的ストレッチをウォーミングアップとして取り入れていることです。
それでは動きが悪くなり、最悪の場合ケガを誘発することに繋がります。
そのため、ストレッチの違いについては具体的に話をさせてもらいました。
メインとなる実技では、私がいつも使用している「10分ストレッチ」を実践しました。
スライドが映せないため、今回は紙芝居形式で話を進めてみました。
いつもサポートしている高校生が手伝いをしてくれたので、見本として実技をお願いしました。
ストレッチのポイントや注意する点、どこを目的とするのかなどを細かに説明しました。
特に注意が必要なポイントは、私が実際に見本を見せます。
今回は短距離選手が対象だったため、それぞれの筋肉がスプリントでどのように活躍するのか?具体例を含めながら講座を進めます。
その中で私がピックアップしたのは、トリプルエクステンションで活躍する
- 大殿筋
- ハムストリングス
- 下腿三頭筋
を要注意ポイントとして挙げました。
修正が必要なポイントをその場で解説して、正しく覚えてもらうように実践します。
また、より確実な方法でストレッチができるように、ペアストレッチも少しだけ紹介しました。
まだぎこちない感じもありますが、初めてにしてはしっかりストレッチができていました。
ここからの成長が楽しみです(^_^)
ストレッチ講座は無事に終わったので、あとは定着するまで継続してもらうのみです。
継続することが、学生にとっては一番の課題かもしれません。
講座の中でも話をしましたが、セルフケアは「練習の一部」だと私は常に話をしています。
本練習と同じように、しっかりケアができれば、ケガ無く成長できると考えています。
また、継続するかを決めるポイントの一つとして、この講座の内容が大きく関係しています。
終わった後にも質問を多数いただいたので、まだまだ課題点は多くありそうです。
講座内では、簡単にシューズについて触れました。
小中学生の競技では、保護者の方にも協力していただく場面も多くあります。
競技にかかる費用の多くを占めるのは、使用する道具代です。
最近はシューズの価格も上がっているため、適切なシューズ選びは、競技力アップやケガ予防以外にも役立つと思います。
このような流れで半日が終わりました。
私は高校のトレーナーをしているため、小中学生の競技事情をあまり知りませんでした。
今回の講座を通じて、
- 正しいセルフケアを広めること
- 成長期の選手やサポートする保護者の悩みを知ること
これらの目的が少し達成できました。
私は、適切な指導ができている部活動やクラブチームは少ないと常々思っています。
特に、セルフケアやシューズ選びの点に関しては、全く知らない選手が多いのが事実です。
その現状の中で、私にできることは何かと考えると、日々の施術や研究だけで無く、このような講座の実施もあると思います。
また、高校の現場で学んだことを伝えることで、上の舞台を知ってもらうことも重要だと考えています。
競技人口を増やすためにも、高校陸上に興味を持ってもらう必要があります。
実際、ケガや伸び悩みで競技が嫌になり、辞めてしまう子も多くなっています。
楽しく競技を続けて強くなるためにも、このような取り組みを続けていきたいと思います。
正しい知識や技術、競技の魅力を伝えるために、今回収穫があったことを次に活かしていきます。
次はどのような展開をしていこうか・・・